きのはる

アリスとテレスのまぼろし工場のきのはるのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

難解だったけど「君たちはどう生きるか」より100万倍分かりやすかったので平気だった。現実の世界から意識がコピーされて特殊な時空間に閉じ込められてしまった系の話。ただ死ぬより救いがなくて悲しい。だって喜怒哀楽してる「自分」は確かに存在するのに現実の本当の「自分」には何の影響も与えない。マジでまぼろし。正しくまぼろしを生産し続ける工場ってわけだ。生産性はまるでない。
「それでもいい。僕たちは生きていく!」ってのが主人公らの結論なわけだけど、中には耐えられなくなって壊れてしまう人もいる。主人公のお父さんしかり、DJ志望の同級生しかり。
いかに無駄なことに夢中になり続けられるか、それはいつまで続けられるか分からない。だって無駄なことだから。しかしそれは現実でも同じことで、私たちは所詮死ぬまで娯楽や恋愛で気を紛らわし続けて死を待っているだけなのだ。
だからこそ刹那的な娯楽や恋愛が至上のものとなる…ってのがこの映画で言いたかったことだろうか。限りなく無理やり解釈しています。
果たして主人公とヒロインはまぼろしの中でどれくらいの悠久の時愛し合っていけるのか。

ずっと妊娠し続けるのまじキツそうだな。代謝は止まってる感じだったけど、お腹蹴ったりしてたのかな?いつか赤ちゃんに会える否会わねばならぬと気持ちを強く持ってたんだろうけど、永遠の会えないと知ったとき彼女は一体何を思ったのか…

あとタイトルがアリストテレス、「アリスとテレス」な理由が全くわからなかったんだけど誰か教えて教養ある人。てっきりアリスちゃんとテレスくんが出てくるのかと思ってました。
きのはる

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