みんと

相続人のみんとのレビュー・感想・評価

相続人(1973年製作の映画)
3.7
コメディでもアクションでもマフィアでもないJ = P・ベルモンド主演作。巨大企業の社長の御曹司(孤高の相続人)をダンディーな魅力で演じてた。

いちいちカッコ良い撮影、とりわけラストシーンに至っては演出含めてゾクゾクする程なんだけど、正直ちょっと難解でもあった。

何せ淡々とした中にも情報量が多くて理解が追いつかない場面も。キレのあるカットの切り替えもテンポも良い。そしてカメラワークは頗るスタイリッシュ。ただ、脚本が練られ過ぎてて、ラストは おおぉー!じゃなくぉぉおー?!だったのは、きっと私の理解力不足のせい。
…冷静に考えて理解を深めるとなるほど!でもあるんだけど。

顔を掌で覆い、額から顎までスライドの仕草はお笑い芸人がギャグにも使えそうだけど、ベルモンドだと何故かカッコ良くなっちゃう。カッコ良く見えちゃう。

もう少しアクションシーンが欲しかったところだけど、随所で身体能力の高さが窺える身のこなしは流石だった。


通して、マフィア映画さながらの抗争と謀略に満ちた国際経済の闇を見応えたっぷりにスリリング且つスタイリッシュに!更にはベルモンドのカッコ良さを堪能出来る硬質なサスペンスだった。
みんと

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