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英雄の証明のkazu1961のレビュー・感想・評価

英雄の証明(2021年製作の映画)
3.9
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-333
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋人間の本質を、オスカー監督アスガー・ファルハディが、現代社会のSNSなどが内包する情報操作、拡散、中傷などの問題を絡めなら見事に描いた作品です。

🖋主人公ラヒム(アミル・ジャディディ)を通じて、人間の本質はこうだよね!と問いかけられているような作品。元々はは落とし物の金貨を持ち主に返すという大きな善行が、それぞれの立場に影響されて、小さな嘘(悪行)を重ねているうちに取り返しのつかないことに。。。人間には善良な心もあるし、狡賢いところもある。また追い詰められると嘘も付く。さらに人に嫉妬したり、やっかんだり。。。色々な側面を持つのが人間だとグッサリと突きつけてきます。

🖋さらにSNSやメールでの情報拡散、目立つ人を叩く風潮、名前が特定されない中での中傷。。。こんなことが多く起きる現代社会へ警鐘も鳴らしています。

🖋主人公ラヒムが最後に大切にした物に納得して、本作の鋭いメッセージが心に刺さりました。全編を通してとても優れた脚本で、アスガー・ファルハディ監督の作り上げた複雑なキャラクターやシチュエーションに魅せられます。

🖋特に主演アミル・ジャディディの演技は、驚くほど真に迫っていますね。

🖋本作、2度のアカデミー賞受賞監督アスガー・ファルハディが描くヒューマンサスペンス。“英雄”ラヒムをめぐって、彼の行いを褒め称える者、利用しようとする者、疑惑の眼差しを向ける者たちの思惑が絡み合う本作は、人間の倫理観を見事に問うた作品です。

😅Story:(参考: 公式サイト)
元看板職人のラヒムは借金を返せなかった罪で投獄されている服役囚だ。そんな彼の婚約者が、偶然にも17枚の金貨が入ったバッグを拾う。それは将来を誓い合った恋人たちにとって、まさしく神からの贈り物のように思えた。借金を返済さえすれば、その日にでも出所できるラヒムは、金貨を元手にして訴訟を取り下げてもらおうと奔走するも示談交渉は失敗。いつしか罪悪感を持ち始め、金貨を落とし主に返すことを決意する。するとそのささやかな善行は、メディアに報じられ大反響を呼び“正直者の囚人”という美談の英雄に祭り上げられていく。吃音症の幼い息子もそんな父の姿を誇らしく感じていた。借金返済のための寄付金が殺到し、出所後の就職先も斡旋されたラヒムは、未来への希望に胸をふくらませる。ところがSNSを介して広まったある噂をきっかけに状況は一変し、周囲の狂騒に翻弄され、汚された名誉を挽回するためラヒムは悪意のない嘘をついてしまう……。 

🔸Database🔸
・邦題 :『英雄の証明』
・原題 :『A Hero』
・製作国 : イラン・フランス
・初公開 : 2021
・日本公開 : 2022/04/01
・上映時間 : 127分
・受賞 : ※※※
・監督 : アスガー・ファルハディ
・脚本 : アスガー・ファルハディ
・原作 : ※※※
・撮影 : アリ・ガーズィー、アラッシュ・ラメザニ
・音楽 :
・出演 : アミール・ジャディディ、サハル・ゴルデュースト、モーセン・タナバンデ、フェレシュテー・サドル・オーファン、サリナ・ファルハーディー

🔸Overview (参考:映画. com)
「別離」「セールスマン」でアカデミー外国語映画賞を2度受賞するなど世界的に高い評価を受けるイランの名匠アスガー・ファルハディーが手がけ、2021年・第74回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したヒューマンサスペンス。SNSやメディアの歪んだ正義と不条理によって、人生を根底から揺るがす事態に巻き込まれていく男の姿を描く。イランの古都シラーズ。ラヒムは借金の罪で投獄され、服役している。そんなある時、婚約者が偶然17枚の金貨を拾う。借金を返済すればその日にでも出所できるラヒムにとって、それはまさに神からの贈り物のように思えた。しかし、罪悪感にさいなまれたラヒムは、金貨を落とし主に返すことを決意する。そのささやかな善行がメディアに報じられると大きな反響を呼び、ラヒムは「正直者の囚人」という美談とともに祭り上げられていく。ところが、 SNSを介して広まったある噂をきっかけに、状況は一変。罪のない吃音症の幼い息子をも巻き込んだ、大きな事件へと発展していく。
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