健一

英雄の証明の健一のレビュー・感想・評価

英雄の証明(2021年製作の映画)
4.5
レイフ・ファインズの初監督作で ジェラルド・バトラー主演の映画も たしか「英雄の証明」ってタイトルじゃなかったかな?

ってなわけで。😅
ちょっと久々イラン🇮🇷の巨匠アスガー・ファルハディ監督の最新作。
「別離」と「セールスマン」でアカデミー外国語映画賞を受賞。(現在の名称は国際長編映画賞。)
2度もオスカーを受賞し イラン映画を世界標準にまで高めた第一人者。
と同時にヒューマンサスペンス映画の帝王。
最も新作が待たれる監督のひとり。

さて本作。
なぜ こんな素晴らしい作品がアカデミー国際長編映画賞にノミネートされなかったんだ!
前作の「誰もがそれを知っている」はちょっと『?』だったが本作は大傑作!
一瞬たりとも目が離せない終始スクリーンに くぎづけ になった。

ただ。
毎度毎度の『邦題文句』😅。
「英雄の証明」.........???
『英雄』って程ではないんじゃないかな?
むしろ『善人の条件』とか『転落していく善行』とか。そんな感じ。
英語タイトルが『A HERO』だからってストレートに『英雄』と略さなくても。

とにかく脚本が素晴らしい。
よくこんなストーリー思いつくな。😵
ほとんど説明なく どんどん話が進んでいくので最初は少し戸惑ったが、気がついたらこの主人公の男から目が離せなくなる。
なぜ そこにいる?
なぜ そうなった?
なぜ そんな事をした?
もうドミノ倒しのように人生が、生活が、人間関係が崩壊していくこの恐怖。
心底悪い奴では無いのに・・・
良心に従って行った 善行 が音を立てて転落していく。
男の人生をめちゃくちゃにしたのが、SNS、動画配信、メディア報道など、今の時代の闇を象徴しているのもリアルで恐怖心を煽(あお)る。

もし、ウィル・スミスがアカデミー授賞式の前に本作を観ていたら 恐らくクリス・ロックを平手打ちするような行動は取らなかったと思う。
一瞬の行動、何気ないひと言。
この行為が人生を崩壊させてしまう恐怖を描いた最高傑作!

アスガー・ファルハディ監督 完全復活です!

人は『美談』が大好きだ。
そして、同時に『美談』を追求し『崩壊』させるのも
大好きだ。

あなたなら、どうする?



2022年 4月4日 10:35〜
シネスイッチ銀座screen 1
💺273席
客入り 40人くらい?


今日わぁ、雨の日ぃ〜
明日(あす)がぁ、晴れの日ぃ〜。
(アスガー) (ファルハディ)

😅😰😅😰😅😰😅😰😅😰
健一

健一