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裁かるゝジャンヌのchinsukoのレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
4.0
無声映画の金字塔に挑戦

無声映画といえばチャップリン、バスター・キートンなんて言う大衆受けするものしか見ておりませんが、本作は昨年末にデジタルリマスター化の上映があって、結構レビューに上がっていましたので「挑戦」してみました。

カール・テオドア・ドライヤー監督は「孤高の映画作家」として多くの映画作家に影響を与えた人物で、自分は名前すら知らなかったですが、ここで映画史における貴重な人物を知れた事は有意義でありました。

近代映画しか見てこなかった自分ですが、本作鑑賞で思ったのは1928年の作品に思えなかったほど、カット割等の描写手法に古臭さを感じないことでした。

リマスターされたのも要因と思いますが、ある種の「衝撃」を感じます。

異端審問にかけられるジャンヌと修道士の会話は台詞の文字が少なく想像で補う事を余儀なくされたり、
ジャンヌ役の女優さんの表情や演技は、現代でも通用するもので、
今まで見て来た映画とは違う「異体験」という「衝撃」を感じる作品でした。

総じて素晴らしいのですが、じゃあこれ系を見漁るかと言うと、それもシンドイかなと。

この種の「衝撃」はたまに見る程度で良いかと思われます。
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