カリブ海キュラソー島。母を失くし、警官の父と神秘家の祖父の間で少女の瞳は揺れる。
クレオールのパピアメント語で話す祖父を、オランダ語で教育したい父が咎める。重機がすべてを剥ぎ取りゆく。断末魔のように吹き抜ける霊性の風を、誰ひとり感じとれなくなる寸前の物語。
呪術的ギミックにザンビア映画"I Am Not a Witch"を想起。しかし対岸に現代都市マラカイボを控えるカリブ小国(オランダ構成国)のそれはブードゥーのPC的今日態というべきか、木や骨や貝でなく鉄パイプやトタンや車のマフラーで作られる。その頽落と哀愁。
"I Am Not a Witch" https://twitter.com/pherim/status/1105784373956116481