そこに愛情があったとしても、ジエンイーの心の中から償いの気持ちが消えることはなかっただろう
自分の奥にある醜い感情を知ってしまってから、彼はどういう思いで自身と向き合ってきたのか
恥や後悔、懺悔、嫌悪、様々な負の感情に押し潰されそうになりながらも生きてこられたのは、シウユーとヨウユーの存在があったからではないかと思う
一方で、兄に尻拭いをさせ、欲に目が眩み、簡単に他人を突き落とす男もいる
そして世の中は、前者より後者の方が生きやすいように仕組まれている
本筋にはあまり関係ないが、そんなことを考えてやるせない気持ちになってしまった
軽いミステリーに偏見や安楽死も絡めつつの内容だったが、とても静かな作品という印象が残った
それもひとえに、主演のモー・ズーイーが纏う雰囲気からくるものだろう
愛の話であり、ジエンイーがたくさんの涙とともにそっと解放される物語でもある