ウシュアイア

シン・仮面ライダーのウシュアイアのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.4
自分自身は昭和の仮面ライダーも平成イケメン仮面ライダーにもほとんど触れたことがないのだが、多くの人がなんじゃこりゃとなる作品なんだろう。

庵野節炸裂のSF用語が並んだ小難しい設定は完全把握できるはずもなく、とりあえずのところ、仮面ライダーは超人的な戦闘能力をもつ改造人間で人類補完計画のようなことを企むショッカーと戦う話だということだ。そしてエヴァンゲリオン同様、人間が超人的な能力に苦悩する登場人物の内面世界が色濃く描かれていた。

ちょっとだけかじったことがある初期の平成イケメン仮面ライダーシリーズで要潤や賀集俊樹が出ていた『仮面ライダーアギト』でも仮面ライダーに変身することに苦悩していたシーンがあったことを思いだす。仮面ライダーは正義と悪という単純な対立構造だけではなく、超人的な強さをもつものの苦悩がさりげなく描かれており、それが後の作品でも取り上げられてきたように先見性があることをこの『シン・仮面ライダー』でフィーチャーしたのだろう。

人間が改造されて超人的な能力を身に付けるという話は、よくよく考えてみると『ドラゴンボール』でも出てくる。人造人間17号・18号のエピソードは仮面ライダーの影響を受けたのだろうか。

庵野節は正直なところ苦手だ。面白いわけではないのだが、いろいろと考えてしまい退屈はしなかった。
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