クドゥー

ゆるキャン△のクドゥーのレビュー・感想・評価

ゆるキャン△(2022年製作の映画)
4.5
『どんなに遠くまで来ても、私たちを照らす日は昇る』

それぞれのやり方でキャンプを満喫する女子高生を描くテレビアニメ「ゆるキャン△」劇場版は、大人になった5人がキャンプ場を作るという目玉も飛び出るあらすじ革命から始まり、この年代こその青春の眩しさに果てる日常アニメ映画のオールタイムベスト級の傑作。

テレビシリーズが映画になることで高校生から社会人の時間感覚を体感させる構成が素晴らしく、作劇としての緊張感が凪のような日々に波紋を広げそうで広がらないのも斬新であり、時折やって来る人生の深淵を覗かせるワンカットに呼吸を忘れるほど見入ってしまう。

僕みたいなリンちゃんが職場の男性と話しているだけで胸がざわつくオタクに引導が渡されたり、ゴールまでの道のりの中でどこに引っかかるかで無限に話していたい気持ちになるが、東山奈央さんがまたもや奇跡のようなエンドロールを導いた今日の日を一生忘れない。

鑑賞記録
2022.06.19
丸の内ピカデリー2完成披露上映会
→鳥たちが飛び立った思い出の地で再び人生に刻まれる傑作と出会う。舞台挨拶で選ばれる言葉で他の作品とは違うことが約束され、上映と感じさせないクオリティの上映には非の打ち所がない。公開初日に映画館が誇りを持って仕事してくれることを願っている。

2022.07.01
グランドシネマサンシャイン5BESTIA
→初体験と打って変わってデフォルメされたサウンドの分離性を堪能する上映。キャンプ場の静と動を体感しているような野外活動音響に、本物を超える眩い日の出を描いた映像が応える。それでも凪のような流れは揺らぐことのない作品としての胆力。

2022.09.30
T・ジョイ横浜DolbyCinema
→思わず目が眩むような日の出の眩しさとか自然の中で聴いているような音とか。鬼滅や呪術とは別ベクトルでポテンシャルを発揮するが、夏アニメが熱すぎる季末に劇映画の感度と興奮が食い込んでくる。今年のベストは決まったようなものかもしれない。

2023.01.13
Amazon Prime Video日本語字幕
→最高だったけど恵那だけ斉藤だったよリンちゃん。
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