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コットンテールのtkのネタバレレビュー・内容・結末

コットンテール(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

感情が仕上がっていたせいで、初っ端から親父さんの一挙手一投足に涙が溢れた。
兼三郎目線でずっと観ていた。
もの言わずとも感じさせる心の機微。
登場人物たちの貌に顕れる表情を、つぶさに拾い上げていく映像。
リリー・フランキー。
なんてカッコいい親父なのか...。
物書きという仕事がら、器用に喋る人間ではない。
伝わらないことは言葉にするべくもない。
職人気質な不器用。
観ている側も“皆まで言うな”と、心で頷き涙する、そんな静けさで品がいい。
完成されたタペストリーを何枚も観ているような、印象的なシーンの数々。
不意に語りだす明子のエピソード。
“ごめん”なんて、すぐ言わないのがイイ。
旅先の一期一会も一興。
そう簡単にCHILLできなくとも、助けられることもしばしば。
「それは息子と行ったほうが良い」
当たり前のように言えてしまう欧米文化と
日本人の奥ゆかしさ。
それもまた面倒ながら、悪くない。
夕陽の沈む丘で暖かな光が眩しい。
観終わって、心洗われて清々しい気分。
完璧な映画だったかもなぁ。
体感20分ぐらいだった。
気持ちが昂り過ぎてるから、敢えて⭐︎5じゃないけど、事あるごとに観て涙したい。
「PERFECT DAYS」と並ぶ良作。
迷わずうさぎを追いかけて正解だった。
Rabitt!!
tk

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