あーさん

仕掛人・藤枝梅安のあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

トヨエツがお目当て♪という事は言っておかねばなるまい。
年齢的なものや夫、この所ハマっている歌舞伎の影響もあり、ここ数年で時代劇もなかなか良いな、と思い始めていた。
なのだが、その昔"必殺仕事人"を観た時に、仕事人が刺した針が心臓に到達して苦しみ悶え死ぬ、、(何故かわざわざ殺される側の体の中がレントゲンみたいに透けて見える💦)みたいな懲らしめ方が悪人とはいえビビリの私には見るに耐えず、そこから観るのをやめたことを思い出し、実は内容的にあまり気は進まなかった。

が、同世代の皆さんの評価がすこぶるよろしくて、主演が大好きなトヨエツだし、それならば!と足が向いた次第。

まるでトヨエツのPVかいな?と思うようなオープニングに正直驚きつつも(褌姿がバックからデデーン!と映る笑)、藤枝梅安(豊川悦司)が表向きには鍼医者で人々を痛みから救う役柄で、裏では仕掛人(頼まれて悪い奴の殺しを請け負う)をしているという設定になるほど、、となる。
梅安と気安い仲の同じ仕掛人であり楊枝職人の彦次郎(片岡愛之助)の掛け合いがまた楽しい。
"彦さん、今日はもう泊まっていきなよ"みたいなセリフにちょっとドキッとしながら(→ブロマンスなのか⁈ )、梅安や彦次郎の作る素朴な手料理の美味しそうなこと!…と目の付け所がややズレている?私⁈
いや、仕掛人のドロドロした話ばかりでは気詰まりで、そういうほっこりも入れておかないと。。

最初は何故?と疑問だったことが話が進むにつれて明らかになっていき、やがて梅安の辛い過去も知る所となる。
人は生まれ落ちた所によって人生が左右されてしまうものだが、梅安は師匠(小林薫)との出会いに恵まれたのだなぁ。おみの(天海祐希)との悲しい再会。。まさか!こんな形で。。
自分がされて嫌だった事は人にはするまい、と思うのが世の常かと思うけれど、悲しい哉、おみのはそうはならなかった。生きる為に悪事に手を染めてしまった。。
しかし、あのエロジジイ共はまとめて成敗してやらねば!(その昔、姉妹間でそういう輩達に厳しい制裁を加える法律を考えていたことを思い出した!!)

料亭の女将おみのの素性を調べる為に女中のおもん(菅野美穂)といい仲になる梅安先生だが、、ヤバい💦これはあきません…(堺雅人が観たら、ヤキモキしそう!)

しかし、悪人多過ぎて人が沢山死に過ぎ。。流石に誰か殺したやろ?って気づくんちゃうかな💦
まぁ、フィクションだからね。

権力を笠に着て悪事の限りを尽くす侍(板尾創路!ホンマ、サイテー↓)に立ち向かっていく早乙女太一がカッコイイ!
立ち回り、独り占め〜

梅安先生の身の回りのお世話をするおせき役の高畑淳子がいい味を出してて、これまたお箸休め♪ホッコリ

そんなめちゃめちゃシリアスとちょっとコミカル&ほっこりが混在する今作から私が感じたメッセージは、痛みを抱えて生きていく、という事。
歳を重ねて、それなりに辛い出来事や人生の大きなダメージを受けたからこそ、人生の深みや人のあったかみに気づけたりする。
梅安もまた辛い過去があったけれど、育ててくれた師匠に感謝しつつ、自分を頼りにしてくれる患者や相棒とも言うべき彦次郎と共に今、ここを生きていく。
良いことだけをして生きていけたら…と思うが、人生はそんなに容易くない。

天海祐希が美しい。切ない役どころではあったけれど、こんなに美しくて哀しい最期。。
この人が演じたから、おみのは下品になり過ぎなかったんじゃないかな。

原作者の池波正太郎生誕100年記念作品なので、エンドロール長いっす笑
が、終わってからも次回の後編への予告パートがあるので、曲が流れてもまだ席を立ってはいけません!

椎名桔平の名を見つけるもどこにいたっけ?からの、、予告パート、びっくり。何ちゅう役やらせんの!サイテー
彦次郎の怒りが心頭!仕掛人魂が発動⁈

これは、4月公開の次回作も観るしかない!
あーさん

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