さすらいの雑魚

仕掛人・藤枝梅安のさすらいの雑魚のレビュー・感想・評価

仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)
4.1
作り手の美学がスクリーンの隅々にまで貫徹された、令和日本に復活したフィルムノワール(←知ったか♫)の傑作❗
深い陰影が綾なす重厚なドラマと一幅の名画を思わせる映像美が、私の心を搦めとり放さない。
続編も同時撮影してて4月上映とか、絶対観る😆

色と欲の蠢く江戸の闇に棲む仕掛人の因果と修羅が、悲惨と不条理を闇の彼方に葬り去り、江戸に天下泰平の朝は来る。
誰かの死により、何かの決着がつき、人々は前に進む。正義とか悪ではなく、そうゆう仕掛けであり、掟であり、地獄なのだろう。
悪夢の闇に生きながら、男たちは飯を喰う。
『これが最期の飯かもしれぬ』
と、想いを定め、旨い飯を友に振る舞い、そして喰らう。

なんと魅惑的な地獄だろう。
なんと素敵な悪夢なのだろう。

池波正太郎の描いた幻想の江戸を、名匠と名優が解像度120%で映像化した、時代劇復活の狼煙たりえる日本映画の本気を堪能しに、そうだ!映画館にいこう♪