めっちゃ面白い。東映アニメフェスと共に育った私としては随所にドラゴンボールの息吹を感じるのが嬉しいし野沢雅子が目玉のオヤジやってる時点でまだまだ新鮮な感動がある。何より話がしっかりとしているし、戦中・戦後〜高度経済成長期→現代に至る日本社会に潜む直視し難き「グロさ」と言うものを直接的にも間接的にも上手に物語に落とし込んでいる（故にグロ注意でもあるが）。妖怪めいた祖父に身体を乗っ取られる孫なんてまんま安倍晋三かと思ったし、ムラ社会と一族の繁栄を維持する為に吸い上げられ続ける「血」のモチーフもかなり直接的。みんな大好きバディムービー形式にしたのもなるほどと言う着地に辿り着くし、完全オリジナルかと思いきやめちゃくちゃ強引に正史に繋げていくエンドロールと余白の使い方も今年一上手い。目玉の話だけあって「見ること」が重要な意味を持つ、歴史を正しく見る為のジャーナリズムの必要さを改めて感じさせる（これもある意味歴史改変モノであるが）。
