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ボーはおそれているのfiorinaのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.1
昨年4月に北米で公開されていたもののなかなか日本で上映されていなかった本作が遂に観れるということでアリ・アスターの最新作を鑑賞。

優柔不断でいつも何かに怯えている中年男性・ボー・ワッサーマンはある日母親の急死を知らされ、母のもとへ駆けつけようとするが道中で悲劇に悲劇が重なるという話だけどそれを悲劇だけで終わらせず悲喜劇に仕立てているところがユダヤ系のアリ・アスターらしい。

この作品の構成を考えたときに主に4つの場面に分けることができる。彼が住む治安が悪いアパート周辺での場面、車で彼を轢いてしまった外科医ロジャー一家の場面、森で演劇を行う移動劇団の場面、そして母の家での場面。

この4つのパートのうち最も印象的だったのは彼が演劇の世界で迷い込むアニメーションで、現実と幻想が入り混じった異様な世界観を見事に描いていて良かった。全体を通して彼の人生を追体験できる悪夢のような3時間でボーだけではなく観客も不安でおそれているはずだ。
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