Fernweh

さよなら、ベルリン またはファビアンの選択についてのFernwehのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

どんどんぐちゃぐちゃしていく、ファビアンの生きる世界。
「副業は生きることです」
「何かを捨て、何かを得る、タダじゃ得られない。」あのカフェに流れる自動演奏ピアノの、おんぶらまいふー。
「生きてるのは偶然、死ぬのは確か」
「生きるというのは最も面白い仕事だ」

比較しても何の意味も見出せないし、比較し始めたら何も言えない、酷いことや悲惨なことは、もっと沢山あって、少なくとも映画で、もっと分かりやすく、直接的に簡潔に描かれる。それでも、いつの時代もいつの世界も、人間1人の人生の一部の時間に沿うだけでも、人間は醜くて、愚かで、すれ違って、生きるのが辛いんだなーとか、この映画みたいな長旅だなーとか思う。溺死するなんて勘弁してと思う。
それにしたって、この時代のドイツを、ベルリンを生きることが辛く、良心が役に立たず、大切なものは失っていく、はちゃめちゃの、まだ始まりの始まり、先のことなんて知りたくない。ラジオが伝える現実の虚しさ。
連絡とるのも簡単でない時代。そういう時代でもいい、大事な関係は少なくていい、だからせめて、ちゃんと通じていたい。
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