このレビューはネタバレを含みます
肝心のIRAの説明が劇中でされないし、テロリストという割にはのほほんとした雰囲気のため今一つ彼らのバックボーンがわからず作品にのめり込むが出来ず。序盤の銀行襲撃の件やそこから撃たれた主人公の逃走劇への巧妙な語り口や舞台となるアイルランドの夜の美しい映像や決まった構図は素晴らしいけどね。
あと中盤から撃たれた主人公のメイソンがひたすらその傷に苦しみ、彼に関わった周囲の人たちのドラマにスライドしていくのだが彼らがメイソンをどうするのか延々と話してばかりいるので暫くして飽きが来てしまう。主人公がそんな人たちの思惑になすがままの状態にされ、次々と流されているのも見てるこっちにもやもやが募ってくる。イギリス流のウィットに富んだ会話もひたすら滑っているのが辛い。
それでも急激にドラマの流れが変化するラスト一分の展開に衝撃を受ける、まさかボニー&クライドものの系譜に繋がるとは…。