ユウキ

14歳の栞のユウキのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.5
3年前公開の映画だが、RAM RIDERさんの動画配信番組でおすすめされたのをきっかけに観賞。曰く「本物の学校の生徒1人1人を映している関係上、円盤化も配信も予定なし」とか。

ポスターのホラーテイストなデザインとか、上映前に藁半紙で注意書きを渡されたりでびびったけど、内容は笑って泣いての感動作。
いや感動させようという意図はないのかもしれない。それなのに、台本も演技も化粧もない中学2年生の生態はそれだけでドラマチックだ。カメラを意識させない撮り方と編集が巧みなのだろうか。

舞台となるのはある学校の1クラス、2年生の35人、修了式までの50日。
特に大きなドラマもなく、淡々と1人ずつクローズアップしていくだけなのだが、知ってる生徒が増えるごとに自然と生徒同士の関係性が窺えてくる。2時間たっぷり濃厚なアドベンチャーゲームをやった気分になるというか。

見終わってもすぐには学生気分が抜けないし、街ゆくひと、1人1人もかつては中学2年生だったんだなと当たり前のことを意識するようになった。世界の見え方が変わる良い映画だ。
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