とらキチ

トム・クルーズ-永遠の若さを追求して-のとらキチのレビュー・感想・評価

3.5
NHKのBS世界のドキュメンタリーで普通にOAしていたのですが、まさかのFilmarksさんで作品登録されていたのでレビュー。
フランス製作のトム・クルーズのドキュメンタリー。彼にドリアン・グレイを重ねているところがいかにもフランスっぽい。
彼のルックス、キャラクターは、80年代レーガン政権下の空気とマッチし、アメリカのシンボルとなる。その後、彼は自らの全てをコントロールすべくプロデュース業にも乗り出す。あらゆるタイプの役をこなし“ハリウッドスター、トム・クルーズ”を確立するが、ずっとオスカーとは縁が無かった。しかし2001年の911テロ後のアカデミー賞のスピーチでは彼が壇上に立つ。一度もオスカーを獲っていないのに。
また彼が特定宗教に傾倒してしまう性格が、彼の生い立ち、育ちからきているのではないかと解説しているのは興味深い。それまで周囲から止められて、あまり公言していなかったが、後半生では、彼がサイエントロジーの広告塔、NO.2であることを全く隠そうともしなくなっていた事に驚かされる。そこにしっかり踏み込んでいるところがドキュメンタリーとして評価できる。
同じハリウッド美形キャラクターといえるクリント・イーストウッド、ブラッド・ピット、この二人は自らの顔を傷をつけたりボコボコにされるのを厭わない、むしろ自ら好んで、進んでやっているように見えるが、彼は顔がボロボロになった役の印象がほとんど無い。そこら辺も彼のプロデュース力の一端なのかもしれない。
今後、彼がいつまでドリアン・グレイとしていれるのか?肖像画のようになってしまうのか?興味は尽きない。
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