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ウォンカとチョコレート工場のはじまりのmoobyooのレビュー・感想・評価

4.3
どうしても『チャーリーとチョコレート工場』のティム・バートンとジョニー・デップの"クセ"を引き摺って観てしまいがちですが、そこは『パディントン』のポール・キング監督&脚本だけあって、"クセ"のない実に楽しい娯楽活劇になっています。

唄が自然と本編に馴染むミュージカル・シーン然り、善悪を明確に分けた間に挟まるローワン・アトキンソンの立ち位置の妙とか、いい意味でのオリヴィア・コールマンの無駄遣いとか、何よりティモシー・シャラメがウィリー・ウォンカにピッタリとハマり、更にウンパルンパにまさかのヒュー・グラントを据えて見事に馴染ませている個性豊かなキャラクター設定が本当に愉快です。

途切れない楽しさと交互に構成される危機的なシークエンスを繰り返すことで、観客を飽きさせることがない演出技が珠玉です。

暴力を伴わない悪の成敗過程も含めて、老若男女が問答無用で楽しめる娯楽作品として申し分のない良作です。
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