ウォンカとチョコレート工場のはじまり
チョコレート店を持つことを夢見るウォンカは、一流の職人が集まるチョコレートの町へやって来る。彼が作るチョコレートは瞬く間に人々を魅了するが、町を牛耳る "チョコレート組合" にその才能を妬まれ嫌がらせを受ける。
質の高いミュージカルファンタジーで、これから迎えるクリスマスにぴったりな作品。物語的にはジョニー・デップ主演で大ヒットした "チャーリーとチョコレート工場" の前日譚で、若き日のウォンカを描き、"パディントン" のポール・キング監督らしく、ユーモアに溢れた心温まる作品なっている。
最初はウォンカをティモシー・シャラメが演じるというのが想像しづらかったが、観終わるとまさにはまり役。魅惑的なチョコレートは勿論、チョコレート店の内装や、トランクにコンパクトに収められたチョコレート製造機など、レトロな感じと新しさが融合したデザインがお洒落で興味をそそる。
ティモシー・シャラメが魅力的なのは言うまでもないが、脇を固めるヒュー・グラント、サリー・ホーキンス、オリビア・コールマン、ローワン・アトキンソンなど実力派俳優陣が安定の巧さで、演技という点でもしっかりと楽しめる。
特にヒュー・グラント独特なキャラのウンパルンバをコミカルに演じるのが印象的で、今もウンパルンバの歌が頭から離れない。普段は食べないのに鑑賞後はチョコレートが食べたくなった。