とらキチ

マスター 先生が来る!のとらキチのレビュー・感想・評価

マスター 先生が来る!(2021年製作の映画)
4.8
“タミルの大将”ヴィジャイと“タミル民の宝”ヴィジャイ・セードゥパティ(VSP🐻)の夢の競演作品。
今作もIMWでの鑑賞機会をずっと逃し続けていた作品。この度の一般公開でついに観ることが出来ました!嬉しい!
極道が支配する荒廃した少年院を舞台に、ある事情で赴任してきた教師が少年たちを更生させようと奮闘する。
いつも出演作品を通じてインドの社会問題について鋭く提起する我等が“大将”。今作では児童虐待や搾取、それに伴う犯罪の低年齢化、そしてその罪を償い更生する場所である少年院での実態、その後出所したあとの社会全体での受け止め方…そんな事柄を取り上げる。それと別の出演作「サルカール 1票の革命」でも訴えていたが、政治参加の大切さについても提起している。
そんなテーマでありPG12である事からもわかるように、結構エグい描写があったし、後半になるに連れて重いトーンでストーリーが進んでいく。でも、そんなトーンだからこそ“大将”の伝えたいことが、心に迫ってくる。
みんな大好きVSP🐻💕今作ではあの愛嬌のある顔立ちやボディとは裏腹に、徹頭徹尾悪人を貫いている。多少は花を持たせるような演出もあるかと思ったが、一切無し!きっと、少年院に入れられた当時のバワーニに、主人公JDのような“マスター”の存在がいれば、あんな悪人にはならなかったのだと、暗に示しているのだと思う。それにしてもあの顔であれだけの事をされると、ヤバさが余計に際立つ!特にあのパンチ🤛は、マヂでヤバかった!それと脇で気になってのが少年院内の悪人を仕切っていたダース。年齢や顔の割にメチャクチャ低いエエ声をしていて、そのギャップになんか笑えてしまった😆
今作で最も重要というか素晴らしいな、と思ったのが、“無双”なヒーローJDがラストにその顛末の責任というか、ちゃんと罪を償うところを見せていたこと。あれだけの事をしておいて、ハッピーエンド、チャンチャン!で終わらせなかったところは非常に評価できる。
「RRR」で、インド映画の扉をちょっと開いてみた方に、ぜひともご覧になってみて頂きたい作品。“コレ”についていける事が出来ましたら、もう立派な“コチラ側”の人です🤗
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