翠

オートクチュールの翠のネタバレレビュー・内容・結末

オートクチュール(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

もっと明るくてサクッと観れるものと思っていたら、移民や家庭の問題など取り上げている作品でした。
観終わった後のじんわり心が温まる感じ、好きです。
冒頭がもうアチャ〜って感じだったので、終盤ジャドの服装がどんどん品の良い綺麗なものになっていったり、エステルのツンツン具合が柔らかくなっていったりと、終わりのほうハートフル作品になっていく様が良かった。

ジャドがエステルのバッグを盗むことから、エステルがDiorのお針子にならないかと勧誘しストーリーが進む。
フランス映画どれも口悪いなぁと思ったけどこちらも然り。ケンカした時の返しがまた皮肉効いてておフランス流なのだ。
ジャド23歳設定だったけど、やっぱり若く見えてしまった。若くというか、幼いように見えた。
それは理想の母親を求めていたり、つるんでいる知り合い達による環境かもしれないね。
うつの母親を持ち世話をする、移民で差別されるため職業も高望みはできない。
全て諦めてどうでも良いと思っていたところにエステルと出会い、やっと目標ができて家庭環境も仕事も改善していく。思ったより深いところを掘ってくるストーリーでした。
エステルはエステルで家族よりも仕事を優先してきたため家族と疎遠、孤独に生きている。
全てを捨てて美しさを追求してきたエステルが、最後に移民の住む団地を見て「美しい」と言ったのは感慨深いものがあった。
翠