カフェインと猫

漁港の肉子ちゃんのカフェインと猫のレビュー・感想・評価

漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)
4.1
話の序盤、男に浮気相手が8人いたというくだり…どっかで聞いた事ある話だなぁって思ったんだけど、よくよく考えてみたら僕の祖母の話だった。
祖母の場合は10人だったらしいけど。
僕の祖母ちゃんは祖父ちゃんの浮気相手をその内の9人まで特定して、その浮気相手の家を全部訪問し祖父ちゃんと手を切ってもらったらしい。
その後、祖父ちゃんは最後の10人目の家に向かう途中、交通事故にあった。
病院で祖母ちゃんは10人目の浮気相手と一緒に数日間、祖父ちゃんの看病をしていたらしい。
でも祖父ちゃんは目を覚ますことなく逝ってしまった。

肉子ちゃんみたいに、その場に居られなくなって何処かへ行ってしまう人もいる。し、僕の祖母ちゃんみたいに何があってもその場に居続ける人もいる。
どちらが良いとかの話じゃなく、多分だけど、どちらもそこには強い信念があるんじゃないかなぁ、って鑑賞しながらずっと考えてた。
もちろん当事者じゃないからわかんないけど。

すごい色々と自分の人生と比べて考えてしまって、色々思う事はあるんだけれど、キクリンが幸せそうで救われた。
肉子も今がすごい幸せそうで良かった!

西加奈子の本は全く読んだことないのだけれど、僕みたいに夢野久作とか平山夢明が大好きな人間でも西加奈子を読んでみたいなぁと思ってしまうお話でした。