空海花

マ・レイニーのブラックボトムが映画になるまでの空海花のレビュー・感想・評価

3.8
『マ・レイニーのブラックボトム』の
トレド役グリン・ターマンが語り部。
特典メイキング的なドキュメンタリーの本作はマ・レイニーもブラックボトムも知らなかったので、興味深く楽しめた。

制作のデンゼル・ワシントンや
マ・レイニー役のヴィオラ・デイヴィスも語る。
チャドウィックの出演シーンの引用はあるけれど、未公開映像的なものは残念ながらない。
ただ彼の練習について語ってくれる一幕とデンゼル・ワシントンのお言葉が。

本編をまっさらでこれから観たい方は
以下少しネタバレになりますのでご注意を↓



マ・レイニーはブルースを作り上げた
カリスマ的な中心人物であったのに
彼女を知っている人は少なく
写真も7枚ほどしか見つからなかったという。
時代は20世紀初頭
北部と南部の違いは『グリーンブック』を思い出す。
それより少し前の時代。
また彼女は女性ということもあり、
更なる困難さが想像される。
寛容さと厚かましさ。
「敬意を払えば歌う」
この言葉に内包するものは深く大きい。
衣装担当者の話や仕事について聞くと
あのテントシーンの素晴らしさが更にわかった。

アフリカ系アメリカ人の社会的不平等、
北部へ希望を抱いて移動する者
南部プランテーションに残る者
彼らの移動はブルースにも影響を与え
環境が変わると音楽も変わる。
当時のレコード会社の在り方。
彼らの物語は歴史書にはほとんど残らない。
誰が歴史に名を残すか彼らが選べる。
だが、ブルースには、音楽には残る。
魂の年代記だ、と。
不条理を感じると同時に感動もした。

また原作のオーガスト・ウィルソンという人が、とても素晴らしい人だということがわかった。

“自分の悪魔と戦えば
自分の天使が歌う”

強く感銘を受けた。


2021レビュー#055
2021鑑賞No.92
空海花

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