ゆめちん

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODYのゆめちんのレビュー・感想・評価

4.0
ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY
 
数年前に公開したホイットニーの "ドキュメンタリー版" も映画館で鑑賞しているので、彼女がどのような半生を歩んだのか、ある程度分かった上で本作を鑑賞。
 
ホイットニーは歌手になることを夢見て、シンガーの母シシーの厳しい指導を受けていた。やがて母親のステージで歌声を披露したことをきっかけに、彼女ははスターへの道を歩み始めていく。
 
"ドキュメンタリー版" ほどのインパクトはないものの、ホイットニー・ヒューストンの半生を、その良いところも悪いところも含めた人間臭い部分にフォーカスし、彼女を中心とした人間関係を細やかに描きながら、音楽伝記映画として上手く纏まっている。
 
特に彼女の歌唱シーンはすべてが一部分ではなく1曲丸ごと歌われるなど、とても丁寧に描かれているのが印象的で、彼女の曲をじっくりと聴けるのは嬉しい限り。色々と意見はあると思うが、歌手としての彼女の功績を作中でしっかり讃えている点も好感が持てる。
 
"ドキュメント版" でも書いたが、彼女の歌声を心から愛する家族が誰一人もいなかったことが、本当に悔やまれる。両親、兄弟、そして夫ボビー・ブラウンも含め、誰かが彼女にしっかりと寄り添ってあげていたならば、また違った人生を送ったのではないかと思う。
 
ホイットニーの苦悩と葛藤が、胸が苦しくなるほど映像から伝わってくるナオミ・アッキーの演技。ちょっとした仕草や表情の豊かさ、醸し出す雰囲気などホイットニーに重なって見えた。
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