みや

1秒先の彼女のみやのレビュー・感想・評価

1秒先の彼女(2020年製作の映画)
4.0
昨年「1秒先の彼」が劇場公開されていた時に、たまたま帰省していた娘と観にいった。クドカンらしい脚本で、面白いなぁと思っていたら、実はリメイクだと知り、帰ってすぐにHuluでこっちも鑑賞。
その時は「原作はもっといいじゃん!」と思った記憶がある。
…記憶はあるのだが、最近、Amazonでこのクレジットを見かけた時に、すっかり内容を忘れていることに自分でも驚いた。

改めて新鮮な気持ちで観てみると、「彼女」であるシャオチーのキュートさと、「彼」であるグアタイのやせ我慢に心を打たれた。

シャオチーのせっかちでちょっとズレた感じは、ずっとユーモラスなのだが、物語が展開するにつれてどんどんキュートに見えてくる。そして、グアタイも、全然いけてないのだけれど、だんだんカッコよく見えてきたりする。
とはいえ、やっていることは、好きな娘が無抵抗状態であることをいいことに、自分の思い通りに連れ回しているので、ちょっとストーカーチックな危うさを感じない訳ではない。
それを救っているのが、キスをためらうシーンだ。あれだけ長い間、迷って迷って、最後におでこにキスしてにっこり笑ってケジメをつける。本当に彼女を好きだからこそのやせ我慢。それが一発で伝わるいいシーンだった。

そして、2人の再会の場面は、こっちも泣けた。
まず彼女が泣いて、それから時間差があって彼が泣いて…。
せっかちな彼女と、ワンテンポ遅れる彼が、ここでも繰り返されるところがニクイ。

しばらく経ったらまた内容を忘れてしまうかもしれないが、その時はまた、新鮮な気持ちで楽しみたい。
みや

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