クドゥー

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライトのクドゥーのレビュー・感想・評価

4.5
『デスロードの果てに、ワタシ・リバイバル』

煌めきを求めて舞台で戦う少女たちを描くテレビアニメ「少女歌劇レヴュースタァライト」完結編は、学院の外へ飛び出した歌と踊りが未だかつて観たことのない次元の表現力に達し、消費的と称してきた作劇が血肉となるミュージカル映画のオールタイムベスト級の傑作。

「ワイルドスクリーンバロック」という舞台で同窓たちが今にケリをつけて未来に進んでいく中で、過去を掘り下げる度に今が空洞であることが暴かれていく愛城華恋に胸が痛くなるが、だからこそ「最後のセリフ」が終幕を飾る瞬間に空前絶後のカタルシスがある。

そして驚くべきは再生産総集編とは比べ物にならない程の成長を遂げたメインキャストの芝居であり、メディアミックスの集大成として観た人の感動は想像を絶すると羨ましく思うし、コンテンツが「作品」を凌駕する時代という意味でも令和に刻む金字塔と言えるだろう。



鑑賞記録
2021.06.04
イオンシネマ海老名THX認定シアター
→うごめくサラウンドで自我が自己に至る葛藤を描いたサウンドデザインの感情。あえてクリアには聴かせないセリフといい、音響面でも最高にエッジが効いている。2chから劇場版で広げてくるのもシリーズ演出の極みである。

2021.06.25
イオンシネマ海老名THX認定シアター②
→その気になれば人並の幸せなんて簡単に手にすることができるのに。それを手放していることにも気づかないで、原体験に固執し息をするように努力する。ゾクゾクする、狂気の日常にどんなレヴューよりゾクゾクする。

2021.09.11
チネチッタ川崎LIVEZOUNDレーザー
→映画は三回目が一番面白くて、進化する映像には進化する映画館がよく似合う。台詞・劇伴・効果の独立性を期待したところで、舞台上の彼女たちのようにシネマを破壊する。それでも成熟した芝居が調和をもたらす最後には。

2023.01.20
Amazon Prime Video
→アマプラさん作品はセンスあるけど字幕がほしいよ。
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