スプリングス

愛のくだらないのスプリングスのネタバレレビュー・内容・結末

愛のくだらない(2020年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

〈/省みるということ/〉

【Review】
テレビ局勤めの主人公“玉井景”が、仕事とプライベート両方で“自分の蒔いた種”に足をとられる物語。
過去を省みる瞬間というものはとても大切ですよね。
「自分が既に“なにか”を失ってしまっている」そのことを自覚するためには、一度立ち止まって後ろを振り向かなければいけない。落としてきたものを拾うために。
挫けるというものは、悪いことではないなとこの映画を観て思いました。滑って転ばないと見えないものもある。“気づき”の物語。
「忙しいからって、他人に適当になったらダメやで」
というセリフがありましたが、他人に適当になるのは自分を大切にしていないシグナルだと僕は思っています。自分に適当になって、かつてあった愛にも無関心。他人の愛の形にも適当な相槌。向き合わない。向き合っているポーズをするだけ。仕事への熱意も形骸化し《これがやりたい!》を無くして、ただただ《企画書を通す》や《担当の番組を持つ》というトロフィーだけを集める作業になっている。
「忙しいからって、他人に適当になったらダメやで」は、そんな主人公の“気づき”のきっかけになるセリフとしてこれ以上無く刺さるもので、自分の胸も痛みました。

観て良かったと心の底から思える作品でした。
池袋シネマ・ロサにて11/19(金)まで上映らしいので是非。
沁みます。

【Digression】
彼氏良い人やったなぁ。
幸せになってくれ。。







あと、タイトル『愛のくだらない』は『I know くだらない』って意味だと思っていました。
違いました、笑。