空海花

ハウス・オブ・グッチの空海花のレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.8
先日のレビューでは温かい言葉をかけていただきありがとうございました🙇‍♀
涙が出るほど嬉しかったです。(それだけ弱ってたという…💦)
おかげさまで無事映画館行ってきました。


サラ・ゲイ・フォーデンの『ハウス・オブ・グッチ』を原作に、グッチ一族の確執とその中で起きた殺人事件を映画化。
パトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)はグッチ家の御曹司マウリツィオ(アダム・ドライバー)と結婚。
グッチ家の嫁として華やかなファッション業界を謳歌し、徐々にグッチ家での地位を高めていく…
監督リドリー・スコット。

親子兄弟、妻に愛人。
金と権力と愛を巡る骨肉の争い。
壮大なスキャンダル。
デボラ・ハリー「Heart Of Glass」♪に期待が高まった。
音楽との合わせ方は全体を通して巧く
巧すぎて逆に気になったくらい。

素朴で幸せに満ちた結婚。
だが素朴さの中に、父親のサインを真似る粗野さ、
ルージュで電話番号を残す大胆さがオープニングから匂わせてくる。
ストーリーが進むにつれ、野心を剥き出しにし、欲望と下品さを露わにしていくガガの変貌が凄まじい。
『アリー/スター誕生』も良かったが、女優としてまた強烈な印象を残した。
ラストショットはシビれた。

冒頭では自由で、グッチ家に何の含みもないウブなマウリツィオが、外面は変わらないまま野心を備えていくのをアダム・ドライバーがコミカルと生々しさギリギリで演じている。
『最後の決闘裁判』も思い出すと少し不憫でもあるがそこがいいのか。
グッチ一族の品と伝統を守り、上品なオーラを醸し出すロドルフォを演じるジェレミー・アイアンズは出番は少なかったがお目にかかれて良かった。
彼とアル・パチーノとのツーショットはグッとくるものがあった。
しかし何といってもすごいのは、
商魂たくましいグッチ家を率いるアルドと愛すべきダメ息子パオロの親子。
アル・パチーノとジャレッド・レトのコンビがもう最後まで強烈に気になっておかしみに溢れる。
改めて凄いキャスティング。

ストーリーは策謀などは地味になりそうなものを、ファッション性溢れるエンタメ要素にスリリングさを加え、見応えがあった。
手練れた老獪さはグッチ家よりもリドリー・スコット監督が上手か。
完璧主義的に描いた分、満足感はいっぱいだが、長さはやはり気になるところ。
あと英語かな。
アダムの“チャオ アルド”がやたら耳に残る。

映画が終わって後列の老婦人が「いや~長かったわね」と一言。
私も内心頷いてしまったし、他にすれ違う人もつられて言っていたのも聞き逃さなかった。
ある意味、お値段以上とも言う。


2022レビュー#9
2022鑑賞No.15/劇場鑑賞#2


母が付き添いをしてくれたのでこのセレクト。
普通、逆なんですが、情けない😅
本作のフライヤー、今年の手帳に入れてます。
次は一人でいってきます。
空海花

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