kazu1961

ハウス・オブ・グッチのkazu1961のレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.2
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-036
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋ファッション業界に携わる個人として、また映画鑑賞が一番の趣味の私にとって、これはもう面白い作品!!“Gucci”という一大ファミリーの崩壊と、色んな方が言われているようにブランドを築き上げそして去っていったアル・パチーノの姿が『ゴッドファーザー』とオーバラップし、その老いた姿が心に刺さります。

🖋1921年にフィレンツェでグッチオ・グッチによって創業されたラグジュアリーブランドの元祖と呼ばれる“Gucci”。今年で101年目を迎えますが、創業者のグッチオ・グッチが1953年に死去すると、息子のアルド・グッチとロドルフォ・グッチが事業の多角化を図って成長。しかしながら1986年にアルドが脱税で収監されたため一族の内紛が表面化します。その後ロドルフォの息子であるマウリツィオ・グッチがアラブ系の投資グループにすべての株を売却してグッチ家による一族経営は終焉を告げました。本作はそんな“Gucci”一族崩壊の実話を基に1970年から始まった一族の
30年にわたる愛、裏切り、退廃、復讐、そして殺人に至るまでを巨匠リドリー・スコットの手で描かれています。

🖋“Gucci”という富と名誉に翻弄されていく人たちの愛と裏切りと復讐のドラマが激しく、切なく、そして情熱的に描かれています。実話をもとにしたドラマティックなサスペンスという驚きの内容に加えて、やはりここは“Gucci”を描いた作品、全編を通して美しいファッションが観るものを魅了し、イタリアのロケ、美術、際立った色調やクラシカルからポップまで見事に調和した音楽がその興奮を助長していきます。

🖋巨匠リドリー・スコット監督が手掛ける本作、やはり前述したように、巨匠が真正面から“人”と“ファミリーの崩壊”を描いたファッション版『ゴッド・ファーザー』と言われるのにも納得。老いたアル・パチーノが、グッチ家を率いるアルド・グッチを演じていることがそう言わせるのでしょうね。日本語を使うアル・パチーノにも80年代までの日本の興隆を感じさせるのは(笑)。

🖋あとファッションに関わるものとして1995年のトム・フォードのランウェイには感激、これを機に一気に“Gucci”が生まれ変わり今に続きますから!!

🖋そしてそれを体現する俳優たちの演技も素晴らしい!!主役のパトリツィアを演じるレディー・ガガ、パトリツィアの夫マウリツィオをアダム・ドライバー、マウリツィオの狡猾な伯父をアル・パチーノ、マウリツィオの独創的な従兄弟をジャレッド・レト、昔気質な父親をジェレミー・アイアンズが演じ、華麗なる一族にリアリティを与えています。特に野心と嫉妬での悪女的なパトリツィア役を演じたレディー・ガガの演技が素晴らしく複雑なキャラクターを完璧に演じ切っています。

🖋でも何よりも個人的には老いたアル・パチーノの哀愁を見ることが出来たこと、実話に基づいたサスペンスフルな物語を終始ファッショナブルに美しく描き切ったことが本作の魅力だと思います!!

😨Story:(参考: 公式サイト)
貧しい家庭出身だが野心的なパトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)は、イタリアで最も裕福で格式高いグッチ家の後継者の一人であるマウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)をその知性と美貌で魅了し、やがて結婚する。しかし、次第に彼女は一族の権力争いまで操り、強大なファッションブランドを支配しようとする。順風満帆だったふたりの結婚生活に陰りが見え始めた時、パトリツィアは破滅的な結果を招く危険な道を歩み始める…。

🔸Database🔸
・邦題 :『ハウス・オブ・グッチ』
・原題 :『House of Gucci』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 2021
・日本公開 : 2022/01/14
・上映時間 : 159分
・受賞 : ※※※
・監督 : リドリー・スコット
・脚本 : ベッキー・ジョンストン、ロベルト・ベンティヴェーニャ
・原作 : サラ・ゲイ・フォーデン『ザ・ハウス・オブ・グッチ』
・撮影 : ダリウス・ウォルスキー
・音楽 : ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
・出演 : レディー・ガガ、アダム・ドライバー、ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエック、アル・パチーノ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
巨匠リドリー・スコット監督が、ファッションブランド「GUCCI(グッチ)」の創業者一族の崩壊を描いたサスペンスドラマ。サラ・ゲイ・フォーデンのノンフィクション小説「ハウス・オブ・グッチ」を原作に、グッチ一族の確執と3代目社長マウリツィオ・グッチ暗殺事件を描き出す。1995年3月27日、GUCCI創業者グッチオ・グッチの孫にあたる3代目社長マウリツィオが、ミラノの街で銃弾に倒れた。犯人の特定が難航する中、犯行を指示した驚きの黒幕が明かされる。マウリツィオの妻で、グッチ家の崩壊を招くパトリツィア・レッジャーニを「アリー スター誕生」のレディー・ガガ、夫マウリツィオ・グッチを「マリッジ・ストーリー」のアダム・ドライバーが演じ、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジャレッド・レトが共演。
kazu1961

kazu1961