JunichiOoya

アリスの住人のJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

アリスの住人(2021年製作の映画)
3.0
ポスタービジュアルとタイトルだけで、「これは見ないといけない映画だ」と感じて(2ヶ月に一本くらいそういうのがある。因みにその直感が「当たる」確率は二割くらいかしら)。

全く内容を知らずに見たのだけれど、厚労省の言う「小規模住居型児童養育事業」=ファミリーホームについて、半ば紹介を兼ねた64分のドラマ。
里親を少し大がかりにした感じで、養育者(一般的にはその家に住む夫と妻)+補助者(ま、職員ね)1名が5〜6名の児童(18歳未満)と暮らすっていうもの。

制度の存在、現状、課題なんかを知り得たことはとても良かったけれど、ドラマとしてはどうにも緩い作りで。
樫本琳花さん、伴優香さん演じる「児童」はどうしても18歳未満に見えず、客は十分混乱すると思う。
ホームに居着いてる「猫」役の女性はとても素敵だったけど。

そもそも論として、ファミリーホームの社会的位置づけや、そこで暮らす個々人がファミリーホームに依拠する根拠をもう少しじっくり見せて欲しかった。となると、いかにも尺が短かった。

映画を撮った澤佳一郎さんには2010年に『そこにあるもの』というドキュメンタリー作品がある。盲養護老人ホーム『聖明園曙荘』に取材したもの。

そちらも是非拝見したい。
上映後のトークでの印象は、とても謙虚な方で、でも語りたいこと、もっともっとありますよ、って感じでした。
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