Nove

海辺の金魚のNoveのレビュー・感想・評価

海辺の金魚(2021年製作の映画)
3.5
子どもたちが暮らす家。
それぞれの事情で、親と暮らすことが出来ずに、ここにたどり着く。
18歳になっても、母親と離れた最後の日は、忘れられない。
そしてまた、自分と同じような境遇の子どもが入ってくる。
他人から見たら酷い親でも、子どもからしたら、かけがえのない唯一の存在。
親の価値観の中で生まれ、そして成長してきた。
小さな金魚鉢の中が、世界の全てであった。
でもいつか、社会という海に出なければならない。
そのことを親に教わらずに、いきなり金魚鉢から海に放り込まれた金魚には、どのように泳げはいいのかわからない。
同じ痛みを体験したからこそ、その不条理が分かち合える。
言葉にできない悲しみや苦しみに、寄り添うことしかできなくても、海辺できみを待っている。
Nove

Nove