山田

キャラクターの山田のネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ネイリストさんがオススメしてくれた一本。
「殺すシーンはないんですけど」って言われてたけど逆に殺すシーンがないから突如始まる事件現場での捜査のざわめきに目が離せなくなる感じが良かった。
「名だたる俳優陣に囲まれてるのでふかせの演技がちょっと浮いてなくもない」とも聞いていたけど全然そんな事なくて、ずっとなんか少し汚い身なりで、ずっとどっかに血がついてるどう見てもアブナイ気配しかしない両角の不穏で不審な雰囲気にとても合っていて目の離せないキャラクターでした。すごいよかった。
「幸せな」4人家族に極端に執着し、漫画34の模倣殺人をする。模倣というよりも「自分を描いてるから実演してるだけ」って感じだし、漫画と同じシチュエーションにするために結構時間と労力かけて殺人してるのが見て分かるだけあって何のためにそこまで?と理解に及ばない点がサイコパスたるところなのかなと思う。
想像以上に山城の事を知っていてゾッとする。

菅田将暉演じる山城も「人が良すぎて悪人を描けない」漫画家として致命的な面がある。
「人が良すぎて」たまたまスケッチしてた家で、たまたま隣人から音楽がうるせぇから警察呼ばれたくなければ注意してくれって言われて、たまたま玄関が空いてるから声をかけつつ中に入り、まして室内に上がって殺人現場に出くわしてしまうんだもんなぁ…人の良さが裏目に出たやつ。人が良くてもさすがに無許可で玄関は上がらんだろうピンポン押して人が出なかったら帰ろう?ってソワソワした。
でも山城も本当に人が良いだけではなく、彼の中の欲が悪さした結果目撃したはずの殺人犯を己のキャラクターとして世に放ってしまった。だからこそその影に怯え続けた。めちゃくちゃ「人間」って感じがします。

伏線の回収もしつつ最後には視聴者に判断を委ねる場面もあり、正直めちゃくちゃ満足でした。
山田

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