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アデューのsonozyのレビュー・感想・評価

アデュー(2019年製作の映画)
4.0
美術学校に通うためパリで一人暮らしを始めるレア。
父の仕事用のバンに荷物を積み、二人は田舎町からパリへ向かう。

途中、給油がてら不味いステーキを二人を食べ、見知らぬイケメン君と手巻きタバコで一服。

到着したのは小さなアパルトマンの部屋。遅刻した女性の大家さんが鍵を開ける。

仕事で痛めたのか腰にコルセットを巻いた父は、ガタがきてる窓の修理を大家さんに頼みつつ、気になって隙間を補修してあげる。

部屋に一泊する父とレア。レアはちょっと不安だと語り、父は母と別れる危機があった昔話などをする。

床で寝た父は大きなイビキ。(この時のレアの行動が何とも愛おしい)

そして翌朝。父は財布からお札一枚出して去り、レアは街を歩き出す。

途中、街を一人歩くレアを見かけた父。レアも気付いて小走りで車に近づく。
ウインドウ越しに目を合わせ、レアは父に手を振る。(この時のレアの表情・・)

父の車は左へ走り出し、レアは右に歩き出す・・・

原題『Un adieu』は「さようなら(長い別れ/訣別)」。
巣立っていく娘と、送り出す父。
互いの愛情が滲み出てくる、時間、空気感、会話。この二人のキャスティングも素晴らしい。
私は娘はいませんが、これはグッときますね。
“エモい” of the Year級の短篇でした。
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