健一

世界で一番しあわせな食堂の健一のレビュー・感想・評価

世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)
4.3
「ビバリウム」があまりにも後味悪い作品だったので 10分後 お口直し のため本作を鑑賞。
いやぁ。映画館のハシゴなんて何年振りだろうか。と言っても目の前のスクリーンですが(笑)。

素敵な作品でした。ある意味最高の『お口直し』になりました。
そうそう、こうゆう作品が観たかったのです。
自分自身ちょっと久々 フィンランド🇫🇮の作品。ミカ・カウリスマキ監督作を初鑑賞。
カウリスマキ? そう。あのフィンランドを代表する名監督アキ・カウリスマキの お兄ちゃん だそうで。

フィンランドの中年の男性って 恰幅(かっぷく)がよくて、太鼓っ腹で、髪はボサボサ 又はハゲてて、無精髭でボーボー。
なのに名前が『アキ』とか『ミカ』とか 超可愛らしい名前(笑)。
このギャップがたまらなく愛おしい。
本作も愛おしく 笑みが止まらぬフィンランド人の人々が多数登場してきて なんともホッコリさせてくれる良作。

小さな村の食堂に中国人の親子がやって来る。
恩人を探しているらしいが知る人は誰もいない。
店主のシルカは中国人の父親の男性が料理人だった為 偶然にある危機から救ってもらう。
シルカは中国人の男性チェンに食堂を手伝う代わりに恩人探しを手伝うことを提案。
チェンの料理は評判となり店は大盛況!
常連客とも親しくなっていくチェンだが、幸せな日々は永くは続かない・・・

弟アキの毒の効いた独特の作風とは 打って変わって 兄ミカは至ってシンプル。
最初は『全員素人?』と思うほど皆 自然な演技。劇中の出来事も至って普通。
だが その演出 演技のおかげで、あたかも自分がフィンランドの小さな田舎町で暮らしているような錯覚に陥るくらいな見事な作品。
身体の芯まで癒される究極のリラクゼーションムービー。最高です。
各エピソードの終焉があまりにもお粗末なところもあるのだが『人生、そんな劇的な事ばかりあるわけないだろ!』と監督からのメッセージが 鑑賞後シットリと胸に染み込んでくる。

とても素晴らしい作品でした。
世界幸福度ランキングで第1位になるのも納得。アジア人をあんなにも温かく迎え入れてくれる国なら将来 移住しようかな?

ところで
弟のアキは本当に引退してしまったのでしょうか?
お兄ちゃん! なんとか弟を説得して!
お願い!


2021年3月15日
MOVIXさいたまscreen 6
💺117席
客入り 30〜40人

ロビーには物凄い人々。
みんなエヴァンゲリオン?
健一

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