仮面の大使

浅草キッドの仮面の大使のレビュー・感想・評価

浅草キッド(2021年製作の映画)
4.2
 師匠との絆に号泣する映画。

 大学を中退し、芸人として一発逆転するために浅草で知らぬ者なしの芸人深見(大泉洋)に弟子入りしたたけし(柳楽優弥)。始めはダメダメだったが、深見の教えの下、たけしは芸を磨いていく。時は経ち、たけしはテレビの人気者に、一方深見は時代に取り残されていた…。 

 お笑い界のレジェンド、ビートたけしの若かりし頃が描かれています。たけしさんについてそんなに詳しくは知らなかったんですが、苦労なさっていたんですね。

 そんな中で出会った師匠の深見がめちゃくちゃかっこよかった。「笑われんじゃねぇぞ、笑わせんだよ」「客に媚びるなよ。何が面白いかはオメェが客に教えるんだよ」などなど名言を連発しており、今の芸人さんでもハッとする人は多いんじゃないかな。客目線じゃなく、自分目線。結構実生活でもタメになるかも。

 途中でたけしは深見の元を去り、深見が嫌っていた漫才の道に進む。そんなたけしに対して、敷居をまたがせないと言いながらも、実はめちゃくちゃ気にしていた深見の優しさに涙。居酒屋でテレビに映るたけしを見て、「誰の弟子だと思ってんだよ」のシーンとか浅草フランス座を辞められない理由としてたけしのことを上げていたシーンなどなど。

 また、かつて居酒屋で深見に言われたヒールのくだりを、たけしは売れたあとも覚えていて、再会して居酒屋に行った時に、そのくだりを実際に深見にやったシーンも良かった。たけしにとって深見からの教えがどれだけ大切なものだったのかを教えてくれるシーンだと思う。
 
 たけしを演じた柳楽優弥は所作がテレビで見るたけしそのものでびっくり。さすがの演技でした。そして師匠の深見を演じた大泉洋がめちゃくちゃハマっていて良かった。大泉さんが面白いのは知ってたけど、今回は面白いだけでなくかっこよかった。 
 
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