リミナ

フラ・フラダンスのリミナのレビュー・感想・評価

フラ・フラダンス(2021年製作の映画)
3.5
福島県いわき市に実在するリゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」を舞台にしたフラガールの成長物語。

アニメーション制作はアイカツ!シリーズなどのBN Pictures。
いわき市が舞台の作品でいわき市にもスタジオがある制作会社が手掛けるのは意義を感じさせる。

映像面での見せ場であるダンスシーンは主に3DCGだが、作画のカットと行き来しても特に違和感はないものだった。
特に印象的だったのは、中盤のいわき回廊美術館に行った夕焼けのシークエンスや墓参りのシークエンスが構図

物語面では主軸が登場人物のフラダンスの技量と精神的な成長。
なのだが、70分尺の中、成長理由との紐付けでフラダンス以外の恋愛模様、家庭、亡くした主人公の姉についてなど複数テーマを扱っており、結果的にその一つひとつがあっさりしてしまっている。
また、キャラの言動やアイドルのライブ、ファンタジー要素など描写に唐突さがあった(割り切って観ればそこまでは気にならない)。

ダイエットしていた蘭子が終盤では少し瘦せていたり、序盤はギスギスしていた環奈が同期と打ち解けてフランクになっているのが微笑ましかった。

本作は企画「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」の作品であることから、東日本大震災に絡めた要素はあるものの、当時を想起させるような描写はほぼない。
この辺りはあくまで震災のドキュメンタリーではなく、舞台の魅力を伝えることに焦点が当てられているからだろう。

個人的に福島には何回も訪れているので、舞台として描かれていることへの思い入れはあるなぁと思ったり。
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