えびちゃん

私は決して泣かないのえびちゃんのレビュー・感想・評価

私は決して泣かない(2020年製作の映画)
4.0
絶っっっ対に1ミリも感情移入させてくれない。ギリっとした冷たい眼光がこちらを見つめる。ポーランドからアイルランドへ出稼ぎ中の父を探す旅は慕情や悲壮感は全くない。あるのは強さしたたかさ。何が何でも連れて帰るという強い意志。Run , Forrest , Run ! だけど彼女自身に言い聞かせていた気がする。ふんばりきれと。
白々しい、ビジネスライクな同情はいらない。身につまされる。定型文というか常識的なお決まりフレーズって言う側の安心感が一瞬得られるだけで、受け取り側には響かないよな。わたしたち大人は特に思考を通過せず受け流せるけど、オラちゃんははっきりと言う。受け取った空虚な感覚を大事にしたいと思った。
このいかにもなユース作品の粗削り感がすき。わたしは決して泣きました。(斜め後ろの方が鼻を啜る音が聞こえてもうだめだった。)オラちゃんも努力した。力づく腕づくで使えるものを使い倒したオラちゃんの向こう見ずさに惚れ惚れした。
残すは28日日曜日の上映のみ。先約を調整してでも観てください。なんで日本の配給は本作を買わないの?
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