トムヤムくん

続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画のトムヤムくんのレビュー・感想・評価

3.5
前作でカザフスタンの恥晒しとなったボラットが、強制収容所で14年過ごした末、1人の少女と出会う。

流石に前作から14年も経てばアメリカの情勢も大きく変わる。その変化をひとつも取りこぼすことなく、しっかりと丁寧に風刺していく姿勢が堪らない。

ただコロナ禍のロックダウン中に撮影したことも相まってか、前作に比べて派手な下品や不謹慎さは控えめになり、少し笑いづらい生々しいギャグが増えた印象だった。これも時代の流れなのかな。

ゴールデングローブ賞ではなんと作品賞を受賞するも、なんとゴールデンラズベリー賞も受賞。本作の評価が真っ二つに割れてるのもボラットらしくて良い。

まあそんなことよりも、ボラットの娘トゥーターを演じたマリア・バカローヴァがあまりにも素晴らしすぎてびっくりした。600人の候補の中から選ばれたのも納得だし、アカデミー助演女優賞にノミネートされたことも頷ける(受賞は出来なくても、ノミネートされただけで勝利だと思う)。

間違いなく本作の主人公はボラットではなく、娘トゥーターだと思う。彼女の健気さには感動すらさせられた。