別れた(?)愛人への執着が強く、性に淫蕩な船乗り男が招いた因果応報の悲惨なドラマ。といったところ。
なぜあそこまで愛人に執着するのか理解しがたいが、それこそ「男女間の摩訶不思議な吸引力」がなせる業ということなのだろう。
後半明かされるその愛人のビッチぶりにも呆れるが、それだけにある種お似合いの淫獣カップルだったということか。
割を食ったのがブラジル女子とドイツ男子。
ブラジル女子は生死不明だが(多分大丈夫だろう)、ドイツ男子がどうやら犯罪者にならなかったのは救いだったかも。
中盤までは単なるポルノ主体の淫蕩映画とうんざりしていたが、終盤のサスペンスバイオレンス場面にはさっと緊張感が走った。
そのせいで引締まり感が生じ、ラスト主役男の虚無的状況がそこそこの味わいを醸したと言える。
不倫・不実・淫蕩に溺れてはいけないよ、というアルゼンチン的教訓映画だったのかも。