シネマスナイパーF

オールドのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

オールド(2021年製作の映画)
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クライマックスに入って少しの間は、サービス精神過多に感じた
朝を迎え、黒幕の主張を突きつけて終わりでも、シャマラン映画の持つ「使命」を果たすことは可能だった
もしそこで終わっていたら、アンブレイカブルの後味で劇場を出ることになりましたね
しかし、その先を描いてポジティブな気持ちを与えることが、今回のシャマランの使命だったわけだ
すべて観終わった後はなるほどなと腑に落ちましたね


ユーモアではない風のユーモア職人、ナイト
ニコルソンとブランドが共演している映画をしつこく訊くくだり、彼が落ち着くためなんでしょうけど誰も分からなくて答えてないし、なんならほぼスルーされてて可哀想で笑える
カーラできちゃってんじゃんはとんでもない一大事すぎて笑えてきてしまった
あとミッドサイズセダンって…すげえ名前だな
溺死とか骨ボキボキとか既視感アリアリなんですが狙ってたんでしょうか

なんでやねん多
腫瘍一個出して、やったぜ元気!!は都合が良すぎないか
爪や毛は変わらないのに白骨化と塵への変化が速いのはなんでなんだよ…
岩場に入ってった奴らはなんで毎回律儀に浜辺で寝転んでんだよ笑!!!
10人弱が70回以上消えてんのに誤魔化しきれるわけないだろ、なんて文句はあまりに野暮すぎるか


語りたいことに対する向き合い方の真摯さは流石
他人から任され語らされると超絶不格好になるらしいですが…
今回は自分が真にやりたいことだったため、原作があっても自分のものとしてやりきれたのでしょう
家族が父の日のプレゼントとして原作をくれたことが製作のきっかけとなったことも超大きいのかもしれませんね
極限状態での人間を描くこと自体に真新しさは全く無いし、家族の話なんてシャマランの十八番でもあるんだけど、今回もちゃんと面白かった、という感想かな俺は

シャマランの意図と一致はしていないかもしれませんが、僕が受け取ったメッセージは、素直であれ、ということですね
自分に素直に、周りに素直に、時間に素直になれと
もちろん、あんな状況に投げ込まれたら何かしらの対策や抵抗はしますよ
ただ、その過程で生まれていたゴタゴタが、この映画をスリラーに仕立て上げていた
そして、浜辺で起こる現象に対して命を全うしていった夫婦の終わりは、とても美しかった
いやこれスーパー人間ドラマじゃんか…
人生を一日に凝縮して家族のドラマを語り終えた後、俺様シャマランは童心を忘れていない子供のままだぜ!!と宣言をした直後からのあの展開!…いやぁシビれたね


妖怪グネグネ女、恐怖の腐敗人間とサービスショットも満載
小規模なSFのジャンル映画としても楽しめます
M!ナイト!シャマラン!!
次も期待してますよ!!!