三日月

きまじめ楽隊のぼんやり戦争の三日月のレビュー・感想・評価

4.2
とてもよかったです
本当に、素晴らしかったです

いつかの時代の遠い町の話のようでいて、
きっと、どこでだってある事なんですよね

星新一さんのショートショートのように、時代を感じさせない普遍さながら、どこか知ってる街の話のように思えました

思考停止した日常が動き出したときに、露木が見たもの。。
うまく言えないけど、深く刺さりました
広く伝わってほしい作品です


野暮かもしれないけど、あえて言うなら反戦映画かもしれません
コメディで、感傷的になるでもなく、
淡々と、でも少しずつ変わっていく日常を描いていて、不思議な感覚で観ていました

「見えない脅威」は本当に見えないのか、見えていないのか、見ていないのか
繰り返される日常と、繰り返しから生まれる面白さが相まって、あっという間の105分でした!

いつからなのかも、どうしてなのかもわからない、でもそうなってるからそうしてる事って日常でも沢山あって
それを自分の頭、心で考えてる?って、話しかけられてるような気がしました

トランペットの澄んでいて伸びやかな音色が美しかった
露木は感情を表に出さないけど、周りや自分自身が少しずつ変わっていく中、露木の感情が伝わってきて、一緒に川辺で向こう岸を見ているような感覚になりました

ひとつ言うなら、女性が観ると時に辛く感じる場面もありました
でもそれも現代と同じようなもので、
これまた遠い、自分に関係ない事でもなかったわけで。。
随所に、これどうなの?ねえ?って、自分に砲弾を撃ち込まれているようでした
三日月

三日月