眼差しよりパパ。声よりパパ。死より…。
ストーリー
窓拭き清掃員として働く33歳のジョンは、不治の病を患い、余命僅かのシングルファーザー。彼は、4歳の息子のために新しい家族が必要だと考え、養子縁組の手続きを進める決意をする。
主演 ジェームズ・ノートン
監督 ウベルト・パゾリーニ
優しさと辛さに満ちていく。
涙なしには見れないだろう。
人を想う気持ちの強さと"希望"を見ようとする姿勢に救われる。
派手な展開や怒声はなく、終始穏やかに自分の息子に語りかける様に声を抑えるジェームズノートンは最高だった。
パケ写にはそこまで惹かれていなかったが、父子との過去、現在、未来、どれを取っても余韻が残る。
これが「想いを馳せる」というやつなのかもしれない。
この世の中において"必ず"起こる「死」という現象。そこに向き合いながらも、己のためではない父としての本能をくすぐるような演出、それでいて決して優しすぎるわけでもなく物事を残酷かつ冷淡に紡ぎ出す手腕が素晴らしかった。
ジェームズノートン、とても良い。
イカついタトゥーと裏腹に「息子を想う眼差し」と語りかけてくる様は、みんなの父親感があって頼もしかった。
社会や法律が機能していないギリギリを攻めた点も素晴らしかったし、それに気づかせないのが良い。
この作品は特別なものだと思う。