Sachika

いつかの君にもわかることのSachikaのレビュー・感想・評価

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)
4.2
息子にとって何が正しい選択なのか、残り少ない時間の中で、何ができるのか。
葛藤と心配と無念の中で、少しずつ成長していく幼い息子を抱きしめる。
どんな時でも幼い息子マイケルが大切で 心から愛している事がわかる様な、息子を想う気持ちがそこかしこに在って。
始まりから終わりまで愛情の無い所がない。たくさんの優しい気持ちに涙がこぼれた。
反対にマイケルの、父ジョンを想う気持ちや、周囲の変化に気づき成長していく姿にもグッとくる。
間違いなく私の今年の映画ランキングのトップになる作品。大好き。

また描きすぎない余白の部分や、説明はないけどみて「わかる」部分の愛おしさが、とても良い。
いわゆる「泣けるシーン」ではなく、気づいた時にぽろぽろ泣いてしまう様な、繊細さや美しさが在って、そこがウベルト・パゾリーニ監督作品の素晴らしさだなと、改めて思った。
雨の多い街で、毎日息子の小さな傘を握りしめる。
そんな小さな愛情が、毎日続いて欲しかった。
Sachika

Sachika