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日本沈没2020 劇場編集版 シズマヌキボウのjonajonaのレビュー・感想・評価

3.4
ドラマverを鑑賞。
元来湯浅政明ファンではあるし、日本沈没のこのテーマは大好きな部類。なので組み合わせ的には最高で、湯浅監督のアニメによる飛躍力が日本沈没のようなシリアスなストーリーでもどのように魅せるのか期待値が高かったこともあり少し残念。

大まかなあらすじは悪くない気がするけど、キャラと展開の機微に欠ける。
キャラが各々強くてリアリティのあるリアクションも多いが、なぜか感情面で納得のいかない反応を示すキャラがいて不信感。(特に主人公の女の子…)
あと単純にドラマの各話タイトルとその内容か意図的なのか?不一致をきたしててなにが目的なのかわらかない…こんな調子でどういう意図でやってるのか読めない(かつそれが上手く機能してるとも思えない)試みが散見されて喉につっかえる。

1番顕著なのは、唐突にラップでお互いの日本に対する気持ちを打ち明け合う終盤のシーン。あれはビックリした(ラップとしてはクオリティが高く感じてさらに驚いた笑)湯浅監督がラップ好きなのは『デビルマン』でも出てたけど、それをまさか自分の作風の一つの『味』として用意していくつもりなのかな…それは勘弁願いたい。
僕は『四畳半神話体系』みたいなドグサレ学生路線の話が好きなんですけども…

全体総じて観て損をしたっていうクオリティではないので観たい方は楽しめると思う。人の心のたくましさっていうテーマは健在なので素敵でした。

今作の一つ問題は、意外に湯浅監督のファンタジー的作家性が日本沈没のようなシリアス目な危機的世界観の中で逆に違和感として機能してしまったことでしょうか。
海を漂流する展開にも導入に(船の爆発の影響で大津波が起きて避難ボートがそれぞれ離散する。実際どうなのか分からないけど船の爆発の威力が地震津波のように描かれてることが疑問。など)
シリアス展開よりか、ファンタジー的展開かで両立が難しいのでしょうな。
日本の世相をうまく反映する為に、新しいものを取り入れようとする意気や良しなんだけど、主人公の弟がハーフだからと英語を生半可に使う(それも勉強してる英語じゃなくて『ダディ』とか誰でも知ってる単語を連呼する)ことで完全に子供ルー大柴にしか見えなかった…
文句ばかりですが…
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