Yui

海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版のYuiのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

午前十時の映画祭で!
本当に大好きだし何回みても色褪せない感動がある。エンニオモリコーネの映画音楽は今作が1番すき!音楽家の刹那的な瞬間を彩る音楽はどれも素晴らしくて至高。

主人公マックスが回想して過去の忘れられない出来事が明らかになっていく様はやっぱり「ニューシネマパラダイス」の話の骨組みが下地にあるからこそだと思うし、後の「マレーナ」でもその手法だった。美しい思い出の中に見える登場人物の人間らしさを描くのが本当に上手すぎる…。
トルナトーレ監督には破壊衝動みたいなもの?も少しあるのかなと思っていて、毎回大切な思い出を劇的に破壊している気がする。(ニューシネマパラダイスの映画館爆破、今作の船の爆破、1900の爆死)

初見の時はそこまでだったんだけど、何回もみていると海の声について教えてくれるイタリア人のおじさんのシーンがすごく深みがあってあのおじさんの事がみる度に気になってしまう。あのシーンで流れる "Nocturne with No Moon" も短い曲だけど大好き…。
あとはピアノ決闘を申し込んでくるクラレンスウィリアムズ三世演じるジェリーロールモートンの演技もみればみる程素晴らしくて、ただの嫌な奴とは思いきれない、彼のピアノに対する熱い情熱も濃く伝わってくる。
アメリカを最初に見つけた人や1900の演奏に酔いしれる人々、主要人物以外の演技も1級品に素晴らしい。トルナトーレ監督作品に出てくる登場人物はみんな表情が生き生きとしていてすき。

ティムロス演じる1900の儚くて人間味と神々しさを両方併せ持った人物像には惹かれざるを得ないし、こんなにピュアなティムロスも珍しい。プルイットテイラーヴィンス演じる主人公のマックスの演技の安心感もあって彼の持病の眼球振盪でさえ味となって生きていると思う。
1900とマックスが初めて出会うシーンは本当に伝説だと思う!アトラクションみたいに動き回るグランドピアノで"マジックワルツ"を奏でるあのシーンは心躍る!

私も海の声を聞いてみたい。"人生は壮大だ!"って私にも叫んでくれ!
Yui

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