延々と歩く

ニューオーダーの延々と歩くのレビュー・感想・評価

ニューオーダー(2020年製作の映画)
3.7
 クーデターのおきたメキシコを舞台に、血も涙もない政治劇に巻き込まれる人々を描く。
 
 高橋ヨシキさんが激押ししてたから見たけど、確かにすごい。映画・ドラマがひたすら長大化していく中で正味80分しかないのも驚く。中身さえしっかりしてればこの短時間でも成り立つんだなあと勉強?になった。

 あまりに切れ味ありすぎて観終ると各キャラクターの印象が薄いような、とはいえ感情移入しすぎるとツラい内容なのでこのスピード感が正解なのだろう。

 架空のディストピア世界を割とこまかく見せてくれる手法は「シン・ゴジラ」を連想した。そんでその気真面目さが「シン・ゴジラ」と同じくちょっとのれない。地獄の身代金交渉のアレコレなど、お話自体はオモロイんだけど…。

 あと非英語圏やヨーロッパ以外の映画は、「シリアスな社会派」っぽいのしか紹介されないのかしら。こういう「有名映画祭で強い作品・監督」の雰囲気って共通するよなーとか。メキシコ出身の「スリーアミーゴス」もストレートな娯楽作はハリウッドでしか作ってないし。
 まあ今の国際・経済情勢で能天気なヤツを撮る気は起きないかもしれないけど、ぜんぶが欧米基準になっちゃう不思議さを感じなくはない。
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