健一

親愛なる同志たちへの健一のレビュー・感想・評価

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)
3.0
はい! ロシア🇷🇺の作品です。

この時期、公開延期 中止をせず、この作品を上映してくれた配給会社、上映館の勇気に心から敬意を表したいと思います。
現在、ロシアが行なっていることは決して許される事ではありません。
「THE BATMAN」「モービウス」などのハリウッド大作作品は相次いでロシアでの劇場公開を中止している現状です。
しかし、作品に罪はない。
全てのロシア国民を憎んでいる訳ではないはず。あなたも私も。
本作のようなロシア国内で起きた悲劇をロシアが映画化した事実。
スタッフ、キャストの方々も撮影中は今現在、自分の国が こんな事になっているなんて想像もつかなかっただろう。
それとこれとは別の話。素直に『映画』として私はこの作品を堪能したい。

監督は84歳のロシアの巨匠
アンドレイ・コンチャロフスキー。
この方の作品を観るのは 1990年3月にスタローンとカート・ラッセルが共演した「デッドフォール」を劇場で見て以来なんと32年ぶり!

1962年。
ソ連南部にある街の機関車工場でストライキが勃発した。
物価は高騰し、給料は大幅カット!
労働者たちの怒りは頂点に。
5000人の市民が集結する中、軍は労働者たちへの銃撃を開始した・・・
ソビエト連邦最大の労働者蜂起の悲劇『ノボチェルカッスク事件』の真実を完全映画化!

モノクロ映像が当時のソ連の冷たい雰囲気を大いに醸し出してくれている。
だがなんだろう。
本作のような作品に絶対不可欠な パワー を感じない。
市民の怒り、彼等への銃撃、血の惨劇。
ショッキングなシーンが全くないとは言わないが、思ったより少なめ。
むしろ事件が起こった際『上層部は何をしていたのか。』を重視して描いているため なんかとっても『上から目線』。
熱心な共産党員で市政委員の女性の主人公が 混乱の中、娘を探し出す。というのが作品の軸になっているのだが、ちがう!
労働者側を描いて欲しかったのだ!
『お偉いさん達』は暴動をどう止めていいのか分からない。
彼等の困惑や葛藤を描いているため これはさすがに感情移入できない。
娘の安否を求め 駆けずり回る女性もなんか緊迫感に欠ける。
ラストは・・・
う〜ん。まぁ、こうなるよね。

作品への熱意は感じるのだが『映画』としてはインパクトは弱い。
理由は明確。
劇中で起こっている悲劇より、現在ウクライナ🇺🇦で起こっている事のほうが、よっぽど『悲劇』たからだ!

ただ。見て損はない作品だとは思う。
日々ニュースを見て、本作を観て。
ぬるま湯に浸かっている我々日本人も何か考えなければいけない。


2022年 4月11日 10:00〜
ヒューマントラストシネマ有楽町screen 1
💺162席
客入り 7割以上埋まってた。

チケットカウンターは大行列!
大盛況なようですね!
ただエンドロールが始まると大量のお客さんが途中退席。😵
この動きで、大体『お客さんの満足度』が分かる。😰


「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」が4月22日からの公開だったのに東映アニメーションに第三者からの不正アクセスで製作困難になり、公開延期になったそうで。
ワォ!なんて凄い世の中だ!😭
健一

健一