初老くん

雀色の永訣の初老くんのレビュー・感想・評価

雀色の永訣(2020年製作の映画)
4.9
この映画について考えれば考えるほど、映画と実生活の境界線がなくなります。私自身の人生に照らし合わせてみたり、拉致問題や311について考えてみたり。希望の先にある絶望と、苦しみの中にある希望。ドカンと胸にきて、しばらく頭から離れなかった。映画の良し悪しは予算や規模に縛られないことが良く分かる作品。

国内の若手監督・役者さんは常に注目の対象ですが、今回は別格です。ナタリーで知った時はてっきり中年のおじさん監督だとばかり思っていましたが、こんなにも若いチームだとは。基本的にどの作品も「あ、あの映画のスタッフさんだ」とか横の繋がりをそれとなく感じるものですが、それが全くありません。完全に独立した製作陣の模様。

大袈裟なことを書くつもりなど毛頭ないが、将来時代を代表する映画作家の片鱗をAsano監督に感じ、東吾優希さんの熱演を見るに何故映画にもっと出演していないのか信じられません。両者の存在に衝撃です。妹役の永田さんは何もかも絶妙。

もしかしたら映画史で重要な出来事が起きているのかもしれぬ。

確信が持てないのですが、主演の東吾優希さんは前田聖来監督の「いつか輝いていた彼女は」で日高七海さんの後輩役を演じていた方ではないでしょうか?
初老くん

初老くん