RIO

マイ・バッハ 不屈のピアニストのRIOのレビュー・感想・評価

4.0
静寂のなかにある超自然的な旋律
ブラジルのピアニスト ジョアン・カルロス・マルティンス

ジョアンがピアノを習い始める天才ぶり
バッハの曲は全て暗記してしまう
メガネが良いね
その鍵盤の上をデモーニッシュな指が走る
スタインウェイと死んじゃいそうです
刺激が強くて圧倒される

20歳でカーネギーホールでデビューする
「20世紀の最も偉大なバッハの奏者」と言われていますが結構パンクなパッションの持ち主に魅かれる

演奏家として成功を収めながら
幾度も致命傷な不幸に見舞われる
かなりやさぐれに…情熱が埋もれている
晩年に向かってモンスターになっていきます

アパートメントからのクレームの会話が好きだな

随所にバッハの曲が挿入されるのが本当に素晴らしい
作品中全ての音源はジョアンの演奏

楽譜の中に何が書いてある
バッハが弾いた瞬間から200年が経っている
音楽は静寂に形を与える その静寂を奏でる
大切なのは音符ではない

ジョアンにはもはや指も88本の鍵盤も存在していない
彼が音を奏でる存在そのものに変貌してる

エンドクレジットで多くの人と触れ合ってる姿の写真が出てくるけれど
断然 髪を振り乱し悪魔的な姿の方が好き

「バグダッド・カフェ」で流れていた
”平均律クラヴィーア プレリュードとフーガ”のシーンが大好きです 本編とは何の関係もありません
ただ大好きだと言いたかっただけです

ジョアンがもう弾けなくなってしまった…と
諦めていた動かなくなったその手にグローブを嵌めて
アレッサンドロ・マルチェッロのバッハの編曲を泣きながら弾いている様子がジョアンのインスタに上がってました!感動します
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